動かない社員に動いてもらう方法
先日、行きつけの美容室にいったときの事。
その美容室は全員が生き生きしていて楽しそうに働いているので、私もお店の雰囲気が心地よいので数年、長く利用していて、その日もカラーとカットして店長(オーナー)と話してました。
その店はオーナーも若いのですが従業員も皆さんお若い。カラーの最中暇なこともあり、私は前々から思っていた質問をしてみました。
『皆さんお若いですね。でも接客も技術もしっかりされてる。同じお客様を度々見るのでリピーターも多いでしょう?お客様満足できてる証拠ですね。すばらしい。』
そんなことないとオーナーは謙遜します。
『最初からこんな状態でなかったでしょう?どんな教育をされたのですか?お客様には自分の会社や店でなかなか方向性を分かってもらえない方が多いのです。そういう会社の社員は、その方向性とはズレた事や、ひどい時には逆の事をやったりすることもある。そういった社員にはどのようにアプローチされるのですか?』
ひと時オーナーは考えを巡らせ、ゆっくりと話し始めました。
『僕は・・・そうですね、まずはその人をじっくりと時間をかけて観察します。よくその人自身を見るようにしますね。』
意外な答えに少し驚く私に彼はつづけました。
『もともとどんな風に考えるのか、こういった場面ではどういう風に答えたり反応したりするのか?何に喜んでそうで何に腹を立てているのか。本当にじっくりと観察します。そしてその間は、一切、叱らないし、怒る事もしません。
どのように言えばその人には響き、理解できるのかをイメージできるまでです。』
『そして・・・その人の事を自分が理解できたと思えた時に初めて話し合います。そうすると不思議に私が伝えたい事がよく理解してもらえるんですよ。』
私は非常に感心してその話を聞きいりました。オーナー曰く、その観察の期間に他の店員から‘’なぜ叱らないの?”とか”何故彼に言わないの?”とかクレームが入るそうです。笑いながら言われてましたが大変な辛抱だなと思いました。また、教えるという事の深く大切な部分を教えてもらった気がします。
私も含め、会社や組織で改善を進める時、自分の思う理想や正解を何とか伝えようと、自分の意見や考えを、まず聞いてもらえるようにしようとしがちです。
本当に理解してもらおうとするならば、伝える事より相手の事を理解する方が先で、そっちの方が結果的には効率もいいのかもしれません。
動かない社員がどうやったら動きますか?
この質問はお客様からの質問でもTOPクラスの多さです。
どうやったら動くかより、どれくらい理解しているか?ひょっとしたらそこにヒントがあるかもしれませんね。