「このレベルは、当たり前」と言えるか― 基準を下げない管理者の覚悟 ―
成果を出し続ける管理者には、共通点があります。
それは、
基準を下げないこと。
「このくらいできれば十分」ではなく、
「良い結果を出すなら、これくらいは当然」
そう言い切れるラインを持っています。
しかもそれを、
一度きりではなく、
何度も、明確に、具体的に示す。
◆ 基準が曖昧な組織は、優しいけれど弱い
例えば、こんな会社があります。
・目標はあるけれど、達成基準がぼんやりしている
・“頑張った”という自己評価が横行している
・結果よりプロセスに甘くなりがち
空気は悪くありません。
でも、成果は安定しない。
なぜか。
基準がない組織では、努力が評価基準になるから。
一方、成果を出す管理者は違います。
✔ 高い要求を出す
✔ 厳しいフィードバックをする
✔ できない理由より、やり切る方法を求める
一見、厳しい。
でも実は、
これは“強さ”というより誠実さです。
◆ マラソン大会に例えると
フルマラソンで考えてみましょう。
制限時間が6時間と決まっているのに、
「今日は体調が悪いから7時間でもOK」にしたらどうなるでしょうか。
大会として成立しません。
基準があるから、
準備が生まれ、
練習が生まれ、
工夫が生まれる。
管理者の基準も同じです。
「このレベルは当たり前」と言えるから、
人はそこに向けて思考を使う。
◆ ただし、“丸投げ”は違う
ここが重要です。
実力主義と放任主義は、まったく違います。
本当に成果を出す管理者は、
高い基準を出すだけではありません。
同時に、こうします。
・達成イメージを具体化する
・プロセスを分解する
・成功事例を共有する
・進捗を細かく確認する
・壁にぶつかったとき一緒に打ち手を考える
つまり、
基準は高く、支援は具体的。
これがセットです。
「できて当然」と言いながら、
やり方は教えない。
壁も放置する。
それは厳しさではなく、怠慢です。
◆ “できない人”をどう扱うか
そして、もう一つ避けて通れないテーマがあります。
その基準についてこられない人をどうするのか。
成果を出す管理者は、
無理に引き止めません。
冷たいからではありません。
基準を下げることが、
チーム全体への裏切りになるからです。
例えば、クラスで一人だけ締切を守らなくても
許される状態が続いたらどうなるか。
守っている人の努力が、静かに崩れていきます。
基準とは、守れる人を守るためにある。
それがプロの視点です。
◆ では、どうやって“高基準”を実現するのか?
ここが一番大事です。
ただ「レベルを上げろ」と言っても、組織は変わりません。
実現するために必要なのは、次の3つです。
① 数値と言語を揃える
「頑張る」ではなく
「◯件」「◯%」「◯日以内」と具体化する。
曖昧さをなくすことが第一歩です。
② 成果の再現プロセスを可視化する
成果を出している人の
・行動量
・時間配分
・思考パターン
・準備量
を分解して共有する。
“才能”を“構造”に変える。
③ フィードバックを習慣化する
厳しい指摘は、単発だとダメージになります。
でも、日常化すると成長装置になります。
・毎週の振り返り
・数字の定点確認
・小さな改善の積み上げ
これがあるから、高い基準が機能します。
◆ 本当の優しさと離職率
面白いことに、
高い基準の組織ほど、離職率が低いことがあります。
なぜなら、
・評価が明確
・期待が明確
・努力の方向が明確
だからです。
曖昧な優しさより、
明確な基準のほうが、人は安心する。
◆ プロとしての姿勢
「このレベルは、当たり前」
そう言える管理者は、
感情ではなく責任で動いています。
・成果に責任を持つ
・基準に責任を持つ
・チーム全体に責任を持つ
これは実力主義というより、
プロフェッショナル主義です。
基準を下げない。
でも、置き去りにしない。
これができたとき、
組織は本当に強くなります。
全国の様々な業界の企業を指導し
人事を知り尽くす白川健二が満を持してお送りする…
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このBLOGは基本(水)(金)の週2回発信
次回をお楽しみに!
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