クロージングを急がない|信頼関係が成果につながる接客・営業の考え方

実演販売士の吉村氏は、以前こんなふうに考えていました。

「せっかく接客したのだから、ここで買ってもらわないと意味がない」

その気持ちが強すぎるあまり、笑顔もどこか不自然になり

お客様との会話も“売るための会話”になっていたそうです。

すると、お客様は敏感にそれを感じ取ります。

「この人、私のためというより、売りたいんだな」

そんな空気が伝わると、人は少し距離を置いてしまいます。

結果として、売れるはずだったものまで売れなくなっていたのです。

そこで吉村氏は、接客の考え方を変えました。

「どう売るか」ではなく、
 「どう安心してもらうか」を大切にしたのです。

無理にクロージングをするのではなく、まずは相手との信頼関係をつくる。

 “今すぐ決めてもらう”ことより、“また会いたいと思ってもらう”ことを優先するようになりました。

そんなある日。

小学3〜4年生くらいの男の子が

吉村氏の実演販売を最後までじっと見たあと、こう聞きました。

「これって、いつでも売ってるんですか?」

吉村氏は笑顔で

「もちろん。いつでもありますよ。また来てくださいね」

と答えました。

すると、その男の子は毎週日曜日になるとやって来て、同じ質問をするのです。

「これ、まだ売ってる?」

吉村氏も毎回、変わらず笑顔で答えました。

「うん、いつでも待ってるよ」

そして1か月後。
 その子は小さな手にお金を握りしめてやってきて、少し緊張した表情で言いました。

「これ、ください」

それは子ども向けの商品ではなく、家庭で使うような日用品でした。

吉村氏は、その瞬間に気づいたそうです。

“人は、安心できた時に買うんだ”と。

販売の現場では、つい「今決めてもらわなければ」と焦ってしまうことがあります。

 でも、強引に感じられるクロージングは

顧客満足度やリピート率を下げる可能性があります。

「なんとなく押し切られたな…」

そう感じたお客様は、次の利用をためらったり

紹介やリピートにつながりにくくなったりすることがあります。

反対に、余裕のある接客には安心感があります。

一方で、クロージングそのものが悪いわけではありません。

強引なクロージングは逆効果ですが

適切なタイミングで購入判断をサポートすることも大切です。

「急がなくて大丈夫ですよ」

 「必要になったら、また声をかけてくださいね」

そう言われると、人は“自分で選べている”感覚を持てます。

 その自由さが、信頼につながっていくのです。

本当に大切なのは、クロージングの技術だけを磨くことではありません。

「無理に売り込まなくても、自然と選ばれる状態をつくること」

そこを目指せると、売る側にも余裕が生まれます。

その余裕こそが、お客様に安心感として伝わっていくのだと思います。

全国の様々な業界の企業を指導し
人事を知り尽くす白川健二が満を持してお送りする…
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次回をお楽しみに!
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